耳鼻咽喉科について

耳鼻咽喉科とは、解剖学的には、耳・鼻・口・のど・頸部と広い範囲を担当する診療科です。聴覚、平衡覚、嗅覚、味覚などの感覚器機能、咀嚼、嚥下など上部消化管としての機能、上気道として音声言語、呼吸機能などに関する様々な障害を取り扱います。他の診療科でも用いるような一般的な画像検査(CT、MRI、超音波)や血液検査の他に、聴覚検査、平衡機能検査、味覚・嗅覚検査など耳鼻咽喉科に特有な検査を組み合わせて診断・治療を行います。

診療体制

スタッフは日本耳鼻咽喉科・頭頚部外科指導医1名、専門医2名、専門研修医1名の4人体制です。外来支援として非常勤医師1名に応援をお願いしています。

2022年1月に耳鼻咽喉科部長に松本有医師が着任しました。松本医師は耳科手術を専門としています。

一般外来

当科は「原則予約制・完全紹介制」です。予約が無い場合は当日中に受診できないことがあります。また初診患者は、かかりつけ医からの紹介状(診療情報提供書)が必要です。患者様の症状が安定され、当院での診療が必要のない状態まで回復されたときには、紹介元のかかりつけ医療機関でその後の診療を受けていただくことになります。

詳細は(https://www.keisatsubyoin.or.jp/gairai/)を参照下さい。

耳手術外来

松本(月PM、火PM、第4週火曜日を除く)が担当します。対象疾患は慢性中耳炎、真珠腫性中耳炎、耳硬化症、鼓膜穿孔、耳小骨離断などです。当院では4K画質の手術用内視鏡を用いた、経外耳道的内視鏡下耳科手術(Transcanal Endoscopic Ear Surgery: TEES)を行っています。従来の顕微鏡手術と比べて、外から見える傷がほとんど目立たない、身体への負担が少ない、痛みが少ない、回復が早い、などの利点があります。入院期間は多くの場合は2泊3日(手術前日入院、当日手術、翌朝退院)です。術後は頭を包帯で巻くことはありません。退院日から入浴も洗髪も可能です。状態によって内視鏡単独では手術が難しいことがありますが、その場合は従来の顕微鏡手術を組み合わせて手術を行います。

鼻・副鼻腔手術外来

内山(月PM、土AM)と黒子(火PM)が担当します。対象疾患は慢性副鼻腔炎、好酸球性副鼻腔炎、副鼻腔真菌症、鼻ポリープ、鼻中隔弯曲症、肥厚性鼻炎、アレルギー性鼻炎などです。内服治療や点鼻薬で改善せずお困りの方はご相談下さい。
受診いただきましたら、鼻・副鼻腔の状態を確認するために内視鏡、CT、アレルギー検査を行います。
これらの検査から手術が必要と判断されましたら炭酸ガスレーザーによる鼻粘膜焼灼治療や全身麻酔での手術をおすすめさせていただきます。

全身麻酔での手術については詳しくは下記の内視鏡下鼻副鼻腔手術の項目をご覧下さい。

診療内容と特色

1.内視鏡下耳科手術

内視鏡下耳科手術とは、2010年頃から開発された、耳の穴を利用した内視鏡だけで行う新しい治療法です。外耳道と呼ばれる耳の穴から直径3ミリ弱の内視鏡と器具を入れ、モニターに映し出された画像を見て手術が進められます。

そもそも耳の手術には、大きく2つの種類があります。顕微鏡手術と内視鏡手術です。どちらも「聞こえをよくする」という目的は同じですが、アプローチの方法が違います。顕微鏡手術は、耳の後ろを切開し、骨を削って行います。内視鏡手術は、耳の穴から内視鏡を入れるため、大きく切ることはありません。

内視鏡下耳科手術が対象となる病気は、慢性中耳炎(中耳の炎症が続いて鼓膜に穴が開く)、耳硬化症(耳の組織が硬くなる)、耳小骨離断(音を伝える小さな骨の位置がずれている)、中耳真珠腫(鼓膜付近に真珠のような塊ができる)、などです。

従来の顕微鏡手術と比べて内視鏡手術の優れている点は、身体の外側から骨に穴を開けない、身体への負担が少ない、痛みが少ない、入院期間が短い、回復が早い、などです。

詳しくは(http://www.jibika.or.jp/owned/hwel/news/019/)を参照下さい。

状態によって内視鏡単独では手術が難しいことがありますが、その場合は従来の顕微鏡手術を組み合わせて手術を行います。

2.リティンパ®耳科用250ugセット(一般名:トラフェルミン)を用いた鼓膜穿孔治療

外来局所麻酔での手術です。
詳細は(https://nobelpark.jp/product/pdf/rty-08-pi.pdf)を参照して下さい。

3.内視鏡下鼻副鼻腔手術

当院では4K画質の手術用内視鏡を用いて全身麻酔で鼻副鼻腔手術を行っています。
当院では全身麻酔のリスク、術後出血に対する対応の安全性を鑑みて基本的には入院での治療を行っております。
手術日は水・金曜日で、通常4~8日間の入院です。(手術前日、手術日、数日間の経過観察の後退院)
手術中の出血量によって入院中はすぐ抜けるタイプのスポンジや自然に溶ける綿を鼻の中に入れて内側から圧迫を行います。この間は口呼吸になります。
なお手術翌日からシャワーを浴びることができます。
数日間圧迫の後スポンジを抜きます。このあと出血がなければ翌日に退院になります。
退院後も一定期間は少量の出血が続きます。また鼻づまりは一時的にひどくなる場合があります。なお副鼻腔の粘膜が安定するまでにはおおよそ2か月程度かかります。
それまでは鼻の粘膜は炎症をおこしたり癒着したりしやすい状態ですので自宅で鼻うがいを行っていただきます。

4.難治性アレルギー性鼻炎に対する治療

●炭酸ガスレーザー

アレルギー性鼻炎の中でも鼻詰まりは薬剤が効きにくい症状です。難治性の鼻閉でお困りの方には、日帰りでのレーザーによる下甲介粘膜レーザー治療を施行いたしております。また花粉症がひどく、毎年眠くなる薬しか効果が無いような方や、妊娠を考えなるべく薬剤を使いたくない方への鼻炎に対しても施行しています。
(お持ちのアレルギーによって施行しにくい時期はありますのでご相談下さい)

●舌下免疫療法

近年新たなアレルギー性鼻炎の治療として「舌下免疫療法」が登場しました。
これは減感作療法の一つであり、アレルギーの原因物質(アレルゲン)を少量から投与します。これにより体をアレルゲンに慣らし、アレルギー症状を和らげる治療法です。数年間正しく治療が行われると、アレルギー症状を治したり、長期にわたり症状をおさえる効果が期待できます。

●ゾレア®(一般名:オマリズマブ)注射

「ゾレア」は重症の季節性アレルギー性鼻炎に対して使用できる症状をコントロールする注射薬です。内服薬や点鼻薬とは異なり、炎症の原因であるアレルギー反応の元を抑えます。
なお使用条件に制限があるため、採血でのアレルギー検査や、これまでのアレルギー性鼻炎の症状の度合いや治療歴、体重をおうかがいして条件が合えばご使用いただけます。

●後鼻神経切断術

後鼻神経は鼻水やくしゃみを制御する神経です。
この神経を切断することで、鼻の症状を緩和させる手術が後鼻神経切断術です。
アレルギー性鼻炎などの伴う鼻汁とくしゃみの重症例に行います。
全身麻酔で行う手術ですので、入院での治療が必要となります。

5.難治性の慢性副鼻腔炎に対する治療

好酸球性副鼻腔炎の新たな治療として、2~4週間おきの皮下注射 デュピクセント® (一般名:デュピルマブ)を行っております。中等症以上の好酸球性副鼻腔炎の方、特に術後の再発症例に対して使用します。
詳しくは(https://www.support-allergy.com/crswnp/)をご参照下さい。
 
 

診療実績へ