基本方針

泌尿器疾患全般についてエビデンス(臨床試験によって証明された医学的根拠)に準拠した医療を実践しています。病気の治療にのみ傾倒するのでなく、病人を治療する事を心がけています。すなわち病気の治療によって本来の肉体的・精神的機能が極力損なわれることがないような医療を提供できるように努力しております。

手術支援ロボット ダビンチ<da vinci>

手術支援ロボット ダビンチ 手術支援ロボット ダビンチ

主な診療内容

①RARP(ロボット補助腹腔鏡下前⽴腺摘除術)、RAPN(ロボット補助腹腔鏡下腎部分切除術)、RARN(ロボット補助腹腔鏡下根治的腎摘除術)、RANU(ロボット補助腹腔鏡下腎尿管摘除術)、RAP(ロボット補助腹腔鏡下腎盂形成術)

⼿術⽀援ロボット ダビンチを使⽤して前⽴腺癌、腎癌、尿管癌、尿管狭窄の⼿術を⾏っております。従来の開放⼿術、内視鏡⼿術に⽐べて⼿術侵襲が少なく保険適応になっております。出⾎量が少なく、術後疼痛が少なく、合併症も少ないのが特徴です。微細な構造まで⾒えるため神経温存、正常腎温存が可能になっております。症例により温存可能範囲が異なりますのでご相談ください。昨年度のロボット手術後輸血症例は0例でした。当院ではRARP後の尿失禁改善に取り組んでおります。術後1月でのパッド使用数1枚/日以下が86%になりました。カテーテル抜去した日から尿失禁0mLになる方が100%になるよう今後も知見を深め、最適な対応を追求して参ります。

②MRI/US融合狙撃前⽴腺⽣検

前⽴腺癌は、2015年には我が国においても新規患者数が男性の第⼀位になりました。前⽴腺癌は⽣検(前⽴腺から組織を採取して⾏う病理検査)によって確定診断が下されます。約20年前から早期発⾒⾎液マーカーとしてPSA採⾎検査が実施されてきましたが、前⽴腺癌でない症例もPSA異常値を⽰す事が多く、PSA検査のみの異常で⽣検を⾏った場合の癌的中率は約30%にすぎませんでした。当科では前⽴腺⽣検を⾏う前に3Tesla multiparametric MRIを実施して前⽴腺癌の疑われる病巣を検査した上で、MRI画像上の疑い病変を超⾳波画像上に投影して同部から組織を採取する先進的医療を実施しています。この⽅法を2015年1⽉から導⼊し、前⽴腺癌の的中率は75%に向上しました。、

③放射線治療

当院では小線源治療(前立腺に放射能が出るカプセルを埋め込む)と体外照射治療(体の外から放射線を当てる)の2種類を行っております。小線源治療は放射能の出る範囲が少なく、周囲の臓器のへの影響が少ないのが特徴ですが、前立腺は腫れるため尿が出にくくなります。また放射線量の上限があるため大きな前立腺(40mL以上)には施行できません。体外照射治療はできる限り前立腺に放射線が集中するようにIMRTの進化系であるVMAT(治療装置を回転させながら、がんの形に合わせて放射線の強さと形状をリアルタイムに調整する放射線治療)を行っております。また、直腸と前立腺の間にハイドロゲルを注入してスペースを作成し、直腸障害を低減する工夫をしております。

④高リスク前立腺癌

高リスク前立腺癌に対しては手術、抗癌剤、内分泌療法、⼩線源治療、体外照射を組み合わせた集学的治療を行っております。保険適応や、合併症の問題がありますので、個別にご相談させてください。

⑤レーザー内視鏡治療

ホルミウムレーザーによる内視鏡治療を尿路結⽯、前⽴腺肥⼤症に対して⾏っています。尿路結⽯に関しては、硬性・軟性腎盂尿管ファイバースコープとバスケット鉗⼦を⽤いて完全抽⽯を⽬指しています。前⽴腺肥⼤症に関してはレーザー核出術HoLEPを行っております。

⑥蛍光ナビゲーションによる筋層⾮浸潤膀胱腫瘍切除術(PDD-TURBT)

筋層⾮浸潤膀胱癌(NMIBC)は膀胱癌の約70%を占め、TURBT施⾏後の再発率は31〜78%と報告されています。再発をくり返すうちに⾼異型度または浸潤性の癌に進展し⽣命予後が不良となることが危惧されます。再発を防ぐには腫瘍を全て完全に摘除することが重要です。PDDとは光線⼒学診断(photodynamic diagnosis)の略称で、アミノレブリン酸塩酸塩を⼿術前に内服し、腫瘍細胞に多量に蓄積するプロトポルフィリンⅨ(PPⅨ)を⻘⾊光(400〜410nm)で励起し⾚⾊蛍光を発する⽅法です。最新型の独Karl Storz社製PDDシステムでは、⽩⾊光と⻘⾊光の変換が瞬時に⾏える上に、青色光でも良好な視野を保てることから、切除断端の腫瘍の取り残しや⽩⾊光で視認困難な平坦病変や微⼩病変を切除することが可能になりました。

医師コラム
医師コラム

臨床試験、臨床研究等

臨床試験(治験)、臨床研究に関しては、未承認ではあるが将来的に標準的治療となる新薬、手術手技・器具をいち早く患者さんに使用できるように前向きに実施しております。詳細はHPをご参照下さい。

掲載論文等

Androgen deprivation therapy-related fracture risk in prostate cancer:an insurance claims database study in Japan

著者名:Hisashi Matsushima
雑誌名:Jornal of Bone and Mineral Metabolism
掲載年:2024年

Validation of JSBMR’s CTIBL manual for Japanese men receiving androgen deprivation therapy for prostate canter

著者名:Hisashi Matsushima
雑誌名:Jornal of Bone and Mineral Metabolism
掲載年:2023年

Two cases of prostate canter with disseminated carcunomatosis of the bone marrow treated with novel hormonal agents

著者名:Keina Nozaki, Hisashi Matsushima, Hiyo Obikane, Ryohei Nishimoto, Ryo Tanaka, Takeru Morishige, Tomoko Masuda and Haruki Kume
雑誌名:IJU Case Reports
掲載年:2023年

Simultaneous robot-assisted laparoscopic surgery for prostate and rectal cancer

著者名︓Daisuke Yamada, et al.
雑誌名︓Japanese Journal of Endourology and Robotics
掲載年︓2023年

Fluorescence Detection of Prostate Cancer by an Activatable Fluorescence Probe for PSMA Carboxypeptidase Activity

著者名︓Daisuke Yamada, et al.
雑誌名︓Journal of the American Chemical Society
掲載年︓2019年

A prospective randomized controlled study on the Suppression of Prostate Cancer by Naftopidil (SNAP)

著者名︓Daisuke Yamada, et al.
雑誌名︓Preventive Medicine and Community Health
掲載年︓2018年

Reduction of prostate cancer incidence by naftopidil, an a1 adrenoceptor antagonist and transforming growth factor-ß signaling inhibitor

著者名︓Daisuke Yamada, et al.
雑誌名︓International Journal of Urology
掲載年︓2013年