RSウイルス母子免疫ワクチン(アブリスボ)の接種が出来るようになりました!

2024年8月より、当院で妊婦健診中の妊婦さんにつきまして、RSウイルス母子免疫ワクチン(アブリスボ)の接種をお受け頂けるようになりました。ご希望の方は、外来ご受診時に、医師・助産師に詳細をお尋ね下さい。
〈接種時期〉妊娠28週~妊娠36週(33~34週ごろを推奨)
〈接種費用〉29,150円(税込・自費)
〈RSウイルス感染症について〉
RSウイルスは、世界中に広がっているウイルスであり、2歳までにほぼ100%の乳幼児が感染します。日本では、そのうちの1/4の児が入院しています。症状は、かぜ症状から細気管支炎・肺炎まで様々ですが、入院を必要とする乳幼児数は生後1-2か月時点がピークであり、生後6か月未満の感染で重症化しやすいことが示されています。合併症として無呼吸・急性脳症などがあり、後遺症として、反復性喘鳴(気管支喘息)があります。有効な治療薬が無いため、早期からの予防策が重要とされ、出生後の乳児に投与する抗体薬に引き続いて、母子免疫ワクチンが開発・発売されました。
〈RSウイルス母子免疫ワクチンについて〉
妊婦さんにワクチンを接種すると、母体内で作られたRSウイルスに対する抗体が胎盤を通じて胎児に移行し、接種の2週間後~生後6か月までの間は、児の下気道疾患(重症化)が予防できるとされています。国際的な臨床試験において、生後3か月までの重症化を81.8%減らし、生後6か月までの重症化を69.4%減らしたというデータが出ています。ウイルスの持つタンパク質を組換えDNA技術により改変して抗原としたワクチンであり、生ワクチン(ウイルスを接種)ではありません。副作用は、他の一般的なウイルス予防ワクチンと同程度とされています。